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新品部品、リビルト部品、中古部品




車が故障した時に、皆さんは考えると思います。予定外だと。予定外の出費を覚悟しなければならなくなったと。そして出費をできるだけ減らすべくなるべく安く直す方法を考えるでしょう。お客さんから修理を依頼される時、皆さん口をそろえて言われるのが、「できるだけ安く直してくれないか」という言葉です。できるだけ家計に負担のないように直したいというのは人情です。車の故障というのは、予想できないものですから、この先一年の家計の予定に入っているというようなものではないでしょう?予定外の出費を強いられるわけですから、当店としてもできるだけ負担のならないように修理するよう考えたいところです。

そこで、新品部品に比べて安い中古部品を使って直す方法は良く知られていますが、中古部品の使い方は実はとても難しいのです。中古部品は有効に使える場合とそうでない場合を区別しなければなりません。中古部品を使っても問題がない場合と使うべきでない場合があります。

中古部品を使用する場合に覚悟しなければならないのは、再び同じ部品が壊れる可能性があるということです。新品ではほとんど起こらないことですが、中古部品では高確率で起こります。例えばある車である部品が壊れた場合、同じ車種の同じ部品は同じように壊れやすい傾向があります。メーカーではリコールとして対策している場合がありますが、安全面からリコールするほどでない場合にはリコール対象から外されます。壊れやすい部品は中古部品に取り換えても同じように壊れる傾向があるのです。この部分の故障はこの車の弱点だよなんて言われる場合がそれに当たります。二度同じ修理を行うことになり、この場合は結果的に高くなってしまいます。

オルタネーター(充電装置)、セルモーター(始動装置)、エアコンコンプレッサーなどは消耗品と考えてください。使用し続ければ壊れる確率の高い部品です。これらは、中古部品で直すことはお薦めできません。中古部品で修理したい場合には走行距離の少ない車から取り外したもので修理しましょう。弱点を持つ部品でも使用されている期間が短ければしばらくは使えるだろうからです。

他にリビルト品といって中古部品をオーバーホールした部品がありますので、こちらの利用をお薦めします。値段も新品に比べて安く、新品の半額程度で購入できる場合がほとんどです。品質もしっかりとしていて、新品に引けを取らない場合が多く(リビルト会社によって品質に弱冠の差が出ます)、保証も大抵一年はついていますので万一のときも安心です。

逆に中古部品でも問題ない部品というのも数多くあります。足回りの部品、ボディやバンパー、窓ガラスなどは中古部品でも錆でも出てなければ、新品部品に比べて機能的に差があるというものではありません。部品さえ見つかれば割安で直すことができます。

信頼性を考えれば新品を付ければ良いのです。後々トラブルの可能性のない新品の部品の方がお客様のためになるという考え方もあるように思います。しかし、何がなんでも新品でなくてはならないのでは、少々味気ない対応という気がしないでもありません。中古部品を使用するのは車屋としてはリスクを負うことであり、お客様にもリスクを負ってもらうことであるのは確かです。それでも、中古部品のリスクを良く理解していただいた上で、あえて中古部品を積極的に利用していくことは、幅広い選択肢を提供し、様々なニーズに対応できるということから、お客様の立場に立ったサービスではないでしょうか。

皆さんはどうお考えになるでしょうか?ここはとても微妙なところです。新品と初めから割り切れるでしょうか?多少面倒なことになるかも知れないけど中古部品を使いたいと思うでしょうか?後から壊れたら余計にお金がかかってしまう場合もあります。でも、新品部品で8万、中古部品で3万と言われたら・・・やっぱり悩みますでしょう。

要は、新品部品、リビルト部品、中古部品をうまく使い分けることができれば良いのです。故障したら、まずは悩まずに相談してください。何がベストな選択肢なのか(何がベストかはお客様の考え方による場合がほとんどですが)、それぞれの見積もりやリスクを計算した上で最もベストな方法を探し、ご提案していきます。決断は、話しを聞いた後でも遅くないはずです。聞きかじりや早とちりで、大変な出費になると思い込み、まだまだ使用できる車を手放してしまったりということがあるようです。まずは、車のプロに相談してみてください。きっとまた違った視点からの話しが聞けると思いますよ。








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